恋を奏でる軽音部
リハーサル
先輩とみんなのいる音楽室へ戻り、手分けして暗幕をひいた。
音楽室に戻った途端、先輩は至って普通で、さっきの出来事は嘘だったんじゃないかと思うくらい。
「ね!翼先輩と、どうだった?」
みんなが作業に必死になっている合間に、結愛が訊いてきた。
「一緒に暗幕持ってきただけだよ」
「え~うそぉ!絶対何かあったでしょ!入ってくるとき、手繋いでなかった?」
やっぱり結愛には、何でも見破られてしまう。
嘘つけないなぁ。
「ちょっと…ね。妬いた、って言われた」
「妬いたって何!?詳しく教えてよ!」
結愛は、私の制服を掴んで離さない。
興奮気味の結愛に、私はさっきの出来事を話した。