7つの願い石~願いの叶うその日まで~
――ガチャ




ドアを開けると朝と同じ心地のいい春風が吹いた。



屋上の真ん中まで歩いていき陸羽が立ち止まる。





「――ねぇ」


言葉と同時に彼が振り返る。

振り返った彼の顔は真剣で、胸が疼くような甘酸っぱい気持ちになった。




「なんで俺の名前呼んでくれなかったの」

「ふぇ…?」




陸羽の言葉を聞いて我に返った。



「心音が自己紹介をして俺の隣の席に来たときだよ」

「あ、あぁ。あれはなんというか、その、恥ずかしくて……」





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