ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
俺に馬鹿だと言われて反論しかけた由良を、美玲が呼んだ。
「由良ー行くわよー」
学校指定の鞄を肩から提げて下校準備万端だ。
「わ、美玲待ってー!」
由良も慌てて鞄に教科書を詰め込んでいる。
こういうところを見ていると、なぜ頭脳明晰なのか疑わしくなるけれど、それは幼いころの賜物なのだろう。ずっと小さいころから頑張ってきたから。
自分の大きすぎる魔力の為にいつも一人で、友達も失って、大きな肩書を背負うであろう未来のために、並ならぬ努力を重ねてきたのだろう。
魔力も、学力も、桁違いなことには納得する。
「じゃあまた寮で」
美玲は右手を上げて素敵な笑顔を見せてくれた。
「バイバイ、雅人とバカ翔太!」
続いて由良が手を振ったのだが、酷いと思った。
雅人と呼んだときには可憐な微笑みを、翔太と呼んだ時には怨念でも籠っていそうなほど睨まれた。からかいすぎたか。
「じゃあな!」
隣で雅人がニコニコと元気よく手を振り返している。
そして二人の姿が完全に見えなくなると、俺の方を向いてニヤリと笑った。この笑顔を見せる時の雅人は大抵ロクなことを考えていない。
俺は溜息が出た。
「な!?俺の顔を見て溜息ついたの!?酷くね!?」
「お前がまた変な顔をするからだ」
俺は冷たい目で我が親友を見た。
「変な顔なんてしてねーよ!俺は普通だろうが!」
「どこが普通なんだ、そのニヤニヤした顔の、どこが」
「俺はただお前のことを生暖かい目で見てやっただけだ!」
「何で生暖かい目で見るんだよ」
その理由は大体分かっているけれど、
「お前だって理由は分かっているんだろ?」
ニヤニヤと笑った雅人。コイツは本当にお節介だ。
雅人はいい奴で信頼もおけるけれど、でも、この表情をしている時の雅人は少し関わりたくない。今までの経験上ロクなことがないと分かりきっているからだ。
「由良ー行くわよー」
学校指定の鞄を肩から提げて下校準備万端だ。
「わ、美玲待ってー!」
由良も慌てて鞄に教科書を詰め込んでいる。
こういうところを見ていると、なぜ頭脳明晰なのか疑わしくなるけれど、それは幼いころの賜物なのだろう。ずっと小さいころから頑張ってきたから。
自分の大きすぎる魔力の為にいつも一人で、友達も失って、大きな肩書を背負うであろう未来のために、並ならぬ努力を重ねてきたのだろう。
魔力も、学力も、桁違いなことには納得する。
「じゃあまた寮で」
美玲は右手を上げて素敵な笑顔を見せてくれた。
「バイバイ、雅人とバカ翔太!」
続いて由良が手を振ったのだが、酷いと思った。
雅人と呼んだときには可憐な微笑みを、翔太と呼んだ時には怨念でも籠っていそうなほど睨まれた。からかいすぎたか。
「じゃあな!」
隣で雅人がニコニコと元気よく手を振り返している。
そして二人の姿が完全に見えなくなると、俺の方を向いてニヤリと笑った。この笑顔を見せる時の雅人は大抵ロクなことを考えていない。
俺は溜息が出た。
「な!?俺の顔を見て溜息ついたの!?酷くね!?」
「お前がまた変な顔をするからだ」
俺は冷たい目で我が親友を見た。
「変な顔なんてしてねーよ!俺は普通だろうが!」
「どこが普通なんだ、そのニヤニヤした顔の、どこが」
「俺はただお前のことを生暖かい目で見てやっただけだ!」
「何で生暖かい目で見るんだよ」
その理由は大体分かっているけれど、
「お前だって理由は分かっているんだろ?」
ニヤニヤと笑った雅人。コイツは本当にお節介だ。
雅人はいい奴で信頼もおけるけれど、でも、この表情をしている時の雅人は少し関わりたくない。今までの経験上ロクなことがないと分かりきっているからだ。