ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「さあ、何のことだ」

俺がしらばっくれると、

「おいおい、誤魔化すなよなー?」

更に図に乗る雅人。

まぁ、大体分かっているけれど、それを今のコイツに答えるのは何だか癪に障る。

そんな思いを秘め、雅人に視線を送った。

「…!すいませんでした!」

顔を青ざめガバっと頭を下げた雅人。やっぱりこいつには睨むのが一番効くらしい。

「くだらないことを考えるのはやめろよな」

はぁ、と溜息を吐くと、

「じゃあ、俺がせっかく仕入れた情報知らなくてもいいのか?」

ニヤリ、と笑った。

「何の情報だ」

別に興味もないけれど、と目を逸らしたまま答える。

どうせ雅人のことだ、大した情報なんてないのだろう。一応乗ったふりをしてみる。

「何だよ、興味なさそうだな!それならいいよ、言わないから!後悔しても知らねーんだからな!」

なんだか胡散臭い顔をしている雅人。

なんだ、その何かを企んでいるような顔は。

「じゃあ聞かない」

俺が溜息と共に答えると、

「ふーん、あっそ。由良の情報だったのにな」

そう言ってニヤニヤと俺を見た。


あぁ、そういうことか。それでこいつはこんな顔を。


「お前は言わなくたっていいんだろ?だったら俺は聞かない」

「え、本当に聞かないのかよ!?」

今度は焦ったような顔をする雅人。

「なんだ、俺に言いたいのか?」

「そう言うわけじゃないけど」

お前は聞きたくないのか?

そう問われた。
< 102 / 170 >

この作品をシェア

pagetop