ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
聞きたくないと言えば嘘になるが、噂話はあてにならない。

どうせ、由良のファンクラブができたとか、

昨日は何匹魔物を退治しただとか、

この前のテストでは満点だったとか、

そんな類の、生ぬるい情報しかないのだろう。

だったらそんなの、

「聞くまでもない」

いつもそばで見守っているのだから。


「あーあ、由良が告白されたのを目撃したって話だったのに、お前は聞きたくなかったのかー。残念だなー」

ちぇ、と口を尖らせた雅人の言葉に、俺は固まった。

「冗談、だろ…」

あの天然鈍感魔女が告白された?

てか、誰なんだ、相手は?

その後どうなったんだ?

そう言えば今日の由良は異常に機嫌がよかった。まさか、そのことと関連があるのか?


『由良が告白された』

情けないことに、その一言で俺の脳内は混乱状態に陥ってしまった。


「冗談なわけねーだろ。何てったって俺が見たんだから」

自慢げな顔をする雅人に少々いらだちを覚えたが、今はそれどころではない。


あぁ、とても気になる、その話。


「でも、お前は聞かないんだろ?」


ニヤニヤ、と笑っている雅人。

コイツ、絶対俺で遊んでいる。どういう反応を取るのか、きっと最初から楽しみにしていたんだ。正確の悪い奴。


だけど、


「教えて、ください」

俺は頭を下げた。

俺のプライドは、好奇心に、好きという感情に、いとも簡単に屈してしまったのだ。

ここまで心が弱いとは思っていなかったので、少しショックだった。

「まさかお前がここまで頼むとは正直思わなかった」

雅人はそう言いながらもニヤニヤ笑って、雅人が見たことを教えてくれた。
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