ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
どんなジャンルの人かな。

どの時代の人なんだろう。

生きておられる人なのかな、それとも歴史上の人?

わ、益々その人の絵を見たい!

ワクワクして尋ねてみると、

「え…あ、神崎さんって天然なんですね…」

なんともトンチンカンな回答が返ってきた。

「え?あ、あたしはテンネンなんて名前じゃないですよ。あたしの名前は神崎由良です。最近転校してきたばかりだから覚えづらいかもしれないけれど、どうぞ宜しく」

あたしは微笑んでもう一度自己紹介をした。

「そうじゃなくて…」

「え、違うんですか!?」

どの辺から間違えたんだろう?

うーん、いくら考えても分からない。

「えっと、神崎さんは好きな人っているんですか?」

「いますよ」

即答。迷わなかった。

「え!?だっ誰です!?」

何を焦っているんだろう、と思いながらもあたしは答えた。

「まず、両親でしょ、それから美玲、雅人、翔太、それに先生方やクラスの皆、あとは魔物も好きだし…あ、魔物は人に入りますか?」

大好きな人達のことを考えていると自然と笑顔になる。

本当は千沙さんや"ガーネット"の皆のことも言いたいのだけれど、あたしが"ガーネット"だとばれるわけにはいかないので、それは言えない。

それが少しだけ辛い。


「そ、そう言う意味じゃなくて…」

「どういう意味ですか?」

「そういう好きじゃなくて…」

「え!好きに別の意味があるんですか!?」

知らなかった!別の意味があったなんて…

ちょっとショックだけど、でも、新しいことが知れて良かった!

「好きの別の意味ってどんな意味なんですか?」

尋ねてみると、

「え、えっと、その人を見ているだけで幸せになれるというか、その、あの…」

その男の子の顔は真っ赤で今にも倒れるんじゃないかと思うほどだった。
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