ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
翔太はお怒り状態だし、雅人は取り憑かれたように呟くしで、助けを求めようと美玲を見ると、美玲は笑いを必死に堪えていた。

すると笑いが抑えきれなくなったのか、お腹を抱えて笑い出した。大爆笑らしい。

え、何で? 何で!?

「え、ちょ、どうしよう…!」

そんなに変なこと言ったかな!?

記憶にございませんが!


すると翔太が怒ったまま言った。

「雅人、美玲、無事か。正気に戻れ。戦うぞ。

チーム分けは、俺と美玲、雅人と馬鹿だ」

「え、もしかして、馬鹿って、あたしのこと!?」

すでに名前ですら呼んでくれない!?

そんなに怒ってるの!?

「お前以外に誰がいるんだ、このド阿呆!」

「あ、阿呆じゃないもん…!」

そう言ってみても、ギロっと睨まれるだけだった。

これ以上何か言っても無駄だとあきらめて、あたしは渋々位置に着いた。


「よろしくな、由良!」

あたしの隣にいる雅人があたしに笑いかけた。

すっかり元に戻り、ワクワクしている雅人にあたしも笑い返した。

「こちらこそ」

「まさか由良と一緒に戦えるなんて思ってなかった! 楽しみだ!」

その黄金の瞳は輝いていて、見ているこちらまで嬉しくなってくる。

きっとこういうところに美玲は惚れているんだろうなと思った。


「準備はいいか?」

翔太の声が聞こえる方を見ると、翔太と美玲は既に杖を取り出して、戦闘準備完了だった。

「オーケー!」

あたしもポケットから杖を取り出しながら微笑んだ。

頼れるあたしの相棒だ。

競技場に設置されている、黄色い小鳥の形をした30cmほどの大きさの機械__小鳥型自動勝敗判定機(オート・ジャッジ)が、ザザザ、とノイズ音を立てた。

オート・ジャッジは、判定者が不在の時に使用されるもの。

宿決めなど重要な場面では使われないけれど、授業で戦うときなんかでは使われるよ。

どうやら翔太が起動させたらしい。
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