ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
何が起こったのかよくわからないのだけど、多分ヒュドラの尾があたしの横腹を直撃したのだろう。
魔法でも毒でも、なんでもない、ただの物理的な攻撃。
ただそれだけとはいえ、あたしを打ちのめすには充分すぎる攻撃だった。
けれどあたしは恐れたりしない。
「こんなんで…やられたりなんかしないんだから!」
あたしは立ち上がる。
依頼を完遂するまでは、死ねない。そうでしょう?
フラつく体をなんとか支えようと力を入れた足には落下した際に負ったのであろう深い傷があった。そこから血が溢れ出ている。
あぁ、もう。
「…面倒なことを」
あたしは溜息をついた。
この怪我を負ったままでは、まともに走ることもできない。
それどころか片足は全く動いてくれないので、ゆっくり歩くのがやっとの状態だ。
本当は今すぐにでも治癒魔法をかけたいのだけれど、ヒュドラを倒さなければならないので、そんなことに魔力を使っている場合ではない。
はっと見上げるとそこには4体のヒュドラがいた。
そしてゆっくりとあたしにジリジリと詰め寄る。
あたしは本能的に後退りをしていた。
思ったとおりに動かない片脚が厄介だ。
そんなあたしを見て勝ち誇ったような不気味な笑みを浮かべながら、ヒュドラの首のいくつかは気味が悪い紫色のその細く長い舌で地面に零れたあたしの血を舐めとる。
あぁ、気持ち悪いことこの上ない。鳥肌が立ちそうだ。
そう思いながらも後退りをするしか術がないあたし。
魔法をかけようにも、どの魔法をかければいいのか分からない。
どうすればいいの。
何か攻撃手段はないの。
何とか考えようと必死に考えを巡らせるけど、中々答えは思いつかない。
ギリ、と奥歯を噛んだ。
どうすれば、この状況を打破できるの。
また一歩、後退りしたその瞬間だった。
「っうあぁあっ!」
足が焼けるような感覚が、衝撃が、体中を駆け巡る。
魔法でも毒でも、なんでもない、ただの物理的な攻撃。
ただそれだけとはいえ、あたしを打ちのめすには充分すぎる攻撃だった。
けれどあたしは恐れたりしない。
「こんなんで…やられたりなんかしないんだから!」
あたしは立ち上がる。
依頼を完遂するまでは、死ねない。そうでしょう?
フラつく体をなんとか支えようと力を入れた足には落下した際に負ったのであろう深い傷があった。そこから血が溢れ出ている。
あぁ、もう。
「…面倒なことを」
あたしは溜息をついた。
この怪我を負ったままでは、まともに走ることもできない。
それどころか片足は全く動いてくれないので、ゆっくり歩くのがやっとの状態だ。
本当は今すぐにでも治癒魔法をかけたいのだけれど、ヒュドラを倒さなければならないので、そんなことに魔力を使っている場合ではない。
はっと見上げるとそこには4体のヒュドラがいた。
そしてゆっくりとあたしにジリジリと詰め寄る。
あたしは本能的に後退りをしていた。
思ったとおりに動かない片脚が厄介だ。
そんなあたしを見て勝ち誇ったような不気味な笑みを浮かべながら、ヒュドラの首のいくつかは気味が悪い紫色のその細く長い舌で地面に零れたあたしの血を舐めとる。
あぁ、気持ち悪いことこの上ない。鳥肌が立ちそうだ。
そう思いながらも後退りをするしか術がないあたし。
魔法をかけようにも、どの魔法をかければいいのか分からない。
どうすればいいの。
何か攻撃手段はないの。
何とか考えようと必死に考えを巡らせるけど、中々答えは思いつかない。
ギリ、と奥歯を噛んだ。
どうすれば、この状況を打破できるの。
また一歩、後退りしたその瞬間だった。
「っうあぁあっ!」
足が焼けるような感覚が、衝撃が、体中を駆け巡る。