ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
そんな無様なあたしを見て喜んだのか、ヒュドラ達はあたしに詰め寄る。

ヒュドラ達の口元が光りだし、攻撃準備に入ったようだ。

間も無く、その口から水鉄砲が発射される。猛毒を含んだ、あの水が。

そしてその水が、毒が、弾丸の如くあたしの体を貫くのだ。


あの毒はシールドを持ってしても防ぐことは不可能。

何てったって、シールドを溶かしてしまうのだから。


おまけに杖が吹っ飛ばされて杖が手元にないんだ、もうあたしにできることはない。

絶望と恐怖が押し寄せる。


あたし、ここで、終わるの?


その問いが頭に浮かぶと同時に、大好きな人の笑顔が脳裏を過った。


翔太…会いたい。

今すぐ、会いたいよ。


会いにきて、もう一度その腕であたしを抱き締めて。


『由良』

あたしの名前を呼んで。


それだけでいい。


それだけでいいから。





ギラリとヒュドラの口元が光った。





さよなら、翔太…



あたしはギュッと強く目を閉じた。










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