ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「"シールド"、"ジャンプ"!」

シールドを展開しつつ、魔法を使って跳び毒を避ける。

シールドは案の定、毒にあたって溶けていく。

どれだけ、猛毒なんですか…

ヒュドラの口から発射される毒はまるで鉄砲のように、地面に突き刺さる。その衝撃で砂浜の砂が舞い上がり、視界を悪くさせた。

「"ウィンド"!」

風を呼び起こして砂埃を除去していくけれど、そうしたら毒が飛んでくるわけでして。

あぁ、キリがない。

翔太は、大丈夫かな。

怪我したり、していないよね?

翔太は、強いから、きっと怪我なんてしていないとは思うけど、でもやっぱり心配だな…



「っつ!」



足に痛みが走り、見て見ると出血していた。

近くにあったはずの流木が粉々に砕けているのを見ると、どうやらヒュドラの毒がまるで鉄砲のように飛んできて、それが近くにあった流木に直撃し、その破片があたしの足に当たったらしい。


痛いけれど、歩けないわけじゃない。

走れないわけじゃない。

骨は折れていない。

大丈夫。

まだ、戦える。


あたしはギッとヒュドラを睨みつけた。

どうやらヒュドラの氷は完全に溶けきったらしい。

凄い勢いであたしに迫ってくる。

「やられてばかりじゃいられないんだから!」



あたしは、負けない。




9つの首が暴れまわっているから、どこから毒が飛んでくるのか予測不可能。

剣で首を切り落とすことも難しいし、矢を放つのも難しい。


どうしようかと考えていると、隣に人の気配を感じた。
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