ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
呆れて由良を見ると、必死に頭を整理しているのが分かった。

どこまでも無邪気だなおい。


「本当に…兄弟なの?」

ようやく整理がついたのか、そんなことを聞いてきた。


「あぁ。それに、こんなところで嘘ついてもしょうがないだろ?」


すると由良は


「あたしの、勘違い…?」

そう力なく呟いて、瞳からは涙が滲んでいた。


そんなに俺と柏木楓花が兄弟だったことがショックだったのか…?


由良は呆然としている。


えっと、由良さん?

もしかして俺が告白したこと忘れてない?

俺、この時をもう10年も待ってたんだけど…

このまま待ち続けていたら、本当に俺が告白したことを忘れられそうなので、ちょっと催促してみる。


「……で、答えは?」


いつもなら『うるさいな。ホント翔太ってせっかちだねー』なんて言ってくるのに、
今日は違った。


由良は微笑んでいた。









「あたしも、好きです」






俺は自分の聴力を疑った。

さっき耳に届いた言葉は本当だったのだろうか。

夢オチなら悲しいことこの上ないが、照れ笑いしている目の前の彼女が、夢でない現実だとを証明する。



本当に、両想い、なのか…?

両想い…

その言葉が俺の胸を支配していく。


無駄じゃなかったんだな、10年も想い続けたことも…


ずっと、隣に由良がいてくれると思うと嬉しくて頬が緩んだ。
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