ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】

誰だって、憎むだろう。

こんな、力を持ってしまったら…


「何で、俺だけ違うの…？」


俺は星使い一族として生まれてきた。

生まれた時から、他の魔法使いとは違う力を持っていた。惑星の力を借りる術を知っていた。


だけど、同時に


"普通の魔法使い"が持つ魔力を持っていなかった。


最初は思わなかった。

自分が特別な力を持っていることに。

自分の周り――親、兄弟、親戚…みんな星の魔法使いだったから。

これが普通だと思っていた。


それが普通じゃないことを知っても、誇りに思っていたんだ。


自分が星の魔法使いとして生まれたことを。

惑星に力を借りて魔法を使うことを。


だけど、だんだん成長していく過程で、

自分が、自分の一族が、他の魔法使いとは決定的に違うんだということを実感せざるを得ない状況に陥っていく。




それが


「"ロック"！」


これ。



幼稚園児でもできるという低級な魔法、"ロック"。

魔力で岩を創り出すという、単純明快な魔法。

幼稚園児であれば誰だってできる。小学生など、造作もない。


…だけど、俺にはできなかった。