ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
俺は、俺たち星使いは、岩や砂など、地系の魔法は使えない。

それを司る惑星がないからだ。


そう。

俺たちは、惑星がいなければ、ただの魔法使いどころか、人間だ。

ただの、人間でしかない。


「あれれ、どうしたの?雅人くん?」


幼稚園の先生は、魔法の授業中に何もしないで突っ立っている俺に気づき、話しかけてきた。

確か、この先生は産休の先生の代わりに、つい1週間前に来たばかりの先生だ。


「どうして杖も持っていないの?」


そう、杖。

俺たち星使いにはそんなものは必要ない。そのため星使いは持たない。

それを知ったのは入園する少し前のことだったっけ。お祖母ちゃんい教えてもらった記憶がある。

杖を持たないため、他の人が唱えるような呪文なんて存在しない。


だが、この先生は俺が星使いだとは分かっていないらしい。

俺だって言う気はないんだが。


「杖はどうしたの?」

しつこい。

少しイラついて、


「…ない」


そう呟いた。


「どうしてないの?忘れたの?」

「ない。ないものはない」


忘れたわけじゃない。

持っていないだけだ。
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