ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
きっとこの子たちは、


"ウソツキには天罰を"


きっとそういう精神でやってることだろう。

俺を叩くことが正義だと思ってやってるんだろう。


しかし、俺は嘘をついてなんかない。

だからこれは、ただのいじめだ。


星使い一族だから、と一言いえば終わるのかもしれない。

でも今の俺には勇気がない。


それもまた嘘だろうと思われるのが怖い。

怪我するよりも何倍も怖い。


「…っ」

体中あちこち怪我して、血が出ていた。特に足なんて、酷かった。

倒れこむと、もう立ち上がることができなかった。


「きょうはこれくらいにしてやる!」

「このウソツキ!」


そう言い捨てて去って行った。


こうしてみんな、俺から離れて行くんだろうか。

俺はただ星使いとして生まれてきただけなのに。

ただそれだけなのに…


そう思うと、涙が出てきた。

怪我して泣かなかったのに、今涙がでてきた。



その時、聞こえたんだ。


あまりに澄んでいたので一瞬天使の声かと思った。


俺って死んだの?


そんなことを考えてしまった。
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