ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「怖くないよ!ぜんぜん、怖くないよ!」

女の子は驚いた顔をしていた。

それがだんだんと薄れ、次は瞳から涙が溢れていた。


「どう、して…?」

「だって、俺のケガを治してくれたんだよ!怖い、じゃないよ、すごいよ!誰かを助けられる力をもっているんだよ?すごいに決まってるよ!」


すごい、を繰り返す俺に、女の子は更に涙を流した。


「あり、がとう・・・」


しばらく女の子は泣いていた。

俺はその子をぎゅっと抱きしめていた。


しばらくすると女の子の涙も引いたので、俺はずっと疑問に思っていたことを聞いた。


「なんで、怪我を治してくれたの…?」

すると意外な答えが返ってきた。

素敵すぎる笑顔と共に。


「だって、あなたはウソツキじゃないもん。嘘ついてる人じゃないから。それにケガを治してあげたいって思ったの」


俺はなんだか、救われたような気がした。

ここに、いた。

ここに、俺がウソツキじゃないと思ってくれる人がいた。


そう思うと涙が溢れてきて、

男なのに泣くなんて、と思うと余計に涙が溢れてきた。


「杖を持っていないってことは、あなた星使いなんでしょ?」


俺の涙はピタリと止まった。

ついでに時間も止まったような気がした。


「……う、ん」


やっぱり怖いと思われるのだろうか。

これから何が起こるか分からない不安を胸に抱えて、それだけ言った。
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