ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「大体、手繋いだくらいで動揺すんなよ」

「だって」

初めて、だもん。彼氏と呼ばれる存在の人に手を繋がれるの。

そりゃ、誰だって混乱だってするでしょ!


すると翔太は更なる爆弾を落としてくれた。


「今までも手繋ぐ以上のことしただろ?ほら、抱きしめたりキスしたり…」


翔太が思い出話を語り出すような、別に恥じらいもないような普通の顔で話してくるものだから、余計に恥ずかしくなり、

「も、もう言わないでよ、恥ずかしくなるじゃない!」

降参した。無理。羞恥心に耐えられない。

顔が有り得ないくらいの熱を持っているのが自分でもよく分かる。


「茹で蛸みたいだな」

クスっと笑った。

「なっ!?」

仮にも彼女に茹で蛸みたいだな、なんて普通言いますか!?有り得ない、酷い!大体、ゆでだこみたいな顔をしちゃうのは、翔太がいきなり爆弾落としてくるからだもん!あたしのせいじゃないもん!

「バカ翔太!」

ギッと睨んだ。相手が彼氏だろうが何だろうが関係ない。


しかし、

「…っ」

翔太は顔を背けた。


ん?どうした?

そこは普通『彼氏にバカとか言うなよ』とか反抗してくるところじゃないの?

病気?え、ちょっと心配になるんですけど。


「大丈夫?」

心配になって顔を覗き込むと、翔太は赤い顔をして


「そんな顔すんな、バカ…」


どんな顔をしていたんだ、あたし。

全く思い出せないぞ。

大体、そんな顔っていつもあたしはこの顔だバカ!
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