ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
叫んで息が切れ、肩を上下させて呼吸を取り入れていると、すぐ横にいる翔太がまたも耳元で、

「なら、イチャつく?」

なんて、妖艶に囁くものだから、


「誰がするかー!」

あたしはまた叫んだ。


すると翔太は眉を下げ、

「残念」

そして少し元気を取り戻すとこう言った。

「まぁいつでもすればいいんだけどな」


残念がるな!いつでもするわけにはいかないからね!まず、あたしがしないんだからね!!

こんなヤツが"サファイア"の当主だなんて…"サファイア"って大丈夫なのかな!?本当に心配になるよ!


「"サファイア"の時の俺はまともだから」

奴はさらっと心を読んだ。阻止できなかったことが悔しい。

だけど、

「今まともじゃないって自覚あるんだね。良かったー」

まぁ、良くないけれど。


「…喧嘩売ってるわけ?」

「売っていたらどうする?」

「買おうか」

「そう。でも残念、売ってませんでした」

べーと舌を出す。子供っぽい?まぁ気にしない。


「別に売っても良かったのに」

「だって売ったら買うでしょ?そしたら翔太が怪我するじゃない。それは嫌だもん」


あたし、負けず嫌いだからね。多分翔太が怪我するまで喧嘩しちゃう気がするんだよ。きっと魔力も開放したりして、ね。

もう二度と翔太が傷つくところは見たくない。サファイアとの一戦で充分なほど見たから…


すると翔太はあたしを引き寄せた。


「由良のそういうとこ、好き」

「なっ!?」

またも混乱するあたしを見て、クスっと笑った悪魔がそこにいた。
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