ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
その時、ドアがガチャリと開く音がして、ハッと見ると

「皆、いらっしゃい!」

美玲だった。


美玲は相変わらず美しい。ふわふわした栗色の髪の毛はすっかり伸びてロング丈になっている。それも似合っている。

高校生の頃は可愛く美しい美玲だったけれど、すっかり綺麗な大人のお姉さんになっている。美しいというよりは、麗しい。これじゃ、大学でもモテるんだろうな。雅人とは学校も違うから、大変なんだろうな…

二人とは電話やメールで連絡を取り合っていたので、全く連絡を取っていたわけではなかった。

美玲とはサファイアとの一戦の後あたしが倒れてから、今までずっと会っていなかった。それは雅人にも言えることだけれども。

美玲はあたしの顔を見るや否や、ぱぁっと晴れやかな顔をしたかと思ったら、


「由ー良ー!」

「ぐえっ!?」

首元に抱き付かれた。どうやら何年たっても美玲は、美玲のままらしい。それは嬉しい。

そして必然的に翔太の手とはぐれた。手に残る翔太の体温が切ない。


「もう由良!あたし心配してたんだからね!?あんたが倒れてから毎日毎日ずーっと心配していたんだから!どうして記憶を取り戻した後もメールや電話しかくれなかったのよ!?もう、あたしは会いたかったんだからね!?由良だって会いに来てくれたって良かったのに!」

美玲の言い分はよく分かった。

だけど、待って。少し、待って。


「びれい…ぐ、苦じい…」

首元に抱き付かれては、あたしの呼吸の道がふさがれ、酸素が取り入れられなくなる。

「あら、ごめんなさい」

するとパッと離れてくれて、すぐにぎゅーっと抱き付かれた。


「由良、会いたかったわよー!」

「あたしもだよ美玲ー!」
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