ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「だって、そんなの!」

「あら?あんたたち付き合ってるんでしょう?」

あたしは頷いた。あんまり会えないけれど、付き合ってるのは確かだ。

「だったら普通じゃない」

「普通なの?!知らなかったよあたし!」

「今知ったでしょ?」

美玲さん、それはないですってば。

「でも、できないよ」

「恥ずかしすぎて?」

コクンと頷いた。

だって、そんな、当たり前じゃない!


「由良可愛いなーもう」

微笑ましい、とでも言うように目を細める美玲。

「だって、キス、するなんて、そんな…」

しかもあたしからなんて、恥ずかしすぎる。恥ずかしさのあまりきっと思考回路がオーバーヒートする。


「あら、これが一番お手軽よ♪」

そんな、料理番組みたいなこと言わないで!


「まぁ、試してみなさい。一発で効くわよ」

「無理。一生、無理!」


ああだこうだと言いながらも、美玲の部屋へと向かったのだった。



「はい、お待たせ」

美玲が極上のお茶を人数分注いでくれた。

「いただきまーす」

あたしは一口飲んだ。

「美味しい…」

何これ、美味しすぎる!

お茶の葉から出たうまみ成分を全て余すことなく注ぎ込みました、というような感じ。

こんなの、お店でだって飲んだことがない!


「美味しかったなら良かった」

美玲は微笑んだ。

美玲ってやっぱり完璧な女の子だと思う。
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