ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
雅人も翔太も飲んで感心しているようだ。

こんなの普通の大学生が淹れれるものではない。さすが美玲…


こうして元SC4のお茶会が始まったのだった。


「由良、元気だった?あたし心配してたんだから!」

「うん。元気だよ。魔物退治屋で働けるようになったし」


あたしの魔力は完全復活した。翔太のおかげで。

今までの通りに使いこなせることもお父様に認められて、晴れて魔物退治屋の一員として復活できた。

あの時は隊員の皆が泣いて喜んでいたんだよねー。そこまで!?とも思ったんだけど。


「それまでは魔法屋にいたんだっけ?」


雅人が話に割り込んできた。


「そうだよ。お母様が出張でおられないことも多かったから、結構一人の時が多かったんだけどね」


魔法屋のお店の面積は本店ながらも決して広くない。商店街の1店舗分くらい。けれどビルのようにそびえ立っているから、そこまで狭いとも感じない。

あ、因みにあたし達売り子がいるのは1階なんだけど、商品なんかが置いてあるのはお店の地下と2~6階の最上階まで全部。品数と質は誇るよ!


「一人で大変じゃなかった?魔力だって足りなかったでしょう?」

「大変ではなかったよ。来てくださるお客様は常連さんばかりだし、優しい方ばかりだったから。それに楽しかったな…」

「楽しかった?」

雅人が尋ねる。


「今まで魔法屋で働いたことはなかったんだもん。初めてのことって楽しいなって思ったよ」


新しいことに挑戦するってやっぱり、不安もあるけれど、楽しみだって多かった。

今までのあたしは魔物退治屋しか体験してこなかった。それも楽しいけれど、こうやって新しいことをすると、自分の世界が広がるような感じがして、楽しかったな…


「でも、"ガーネット"って世界一の魔法屋じゃない。商品を覚えるのって大変じゃない?魔法薬だって売ってるんでしょう?複雑だったんじゃないの?」

「うーん、すぐ覚えちゃったから、何とも…」

はは、と笑っていると


「「さすが由良…」」


二人は謎の呟きをしていた。
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