ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「翔太は、あたしのこと…き、嫌いなんでしょ…?」


そうだよって言われるのが怖くて、言葉は震えた。

やっぱり、知っていても、翔太に嫌われることが分かるのは怖い。

怖くて、堪らない。


そうだよ、って言われるのを待っていると、耳に届いたのは想像もしていなかった言葉だった。



「…んで、そうなるんだよ…」



「…え…?」


翔太はあたしをさらに抱きしめると、耳元で優しい声で囁いた。


「由良のこと、好きじゃなかったらこんなに必死になって探さない。こんな広い美玲の家の中で見つけられやしない。それにこんな風に…抱きしめたりもしない」


「そ、んなの…」

信じられない、と言おうとしたのに、涙が邪魔して言えなかった。

どうして今、涙が溢れるの…

翔太は抱きしめたあたしと向き合うようにして微笑むと、翔太は言った。





「由良が好きだ」






あたしが待ち望んでいた、心の底の奥深くで期待していた言葉が耳に届く。



「…ふぇ…っ」


涙はぽろりぽろり、と流れ落ちては止めどなく溢れ出る。

翔太はそんなあたしの頬に伝う涙をキスで拭ってくれた。


こんなにも優しいから、あたしは翔太が好きなんだ。
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