ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「どうぞ」


案内されたのは、


「わぁ…」


翔太の部屋。


まず目を奪うのは、部屋の側面を埋めている本棚。勿論ギッシリと古い本が隙間なく並んでいる。

その中には、あの大魔法全集もあった。

薄っすらと強いシールドが展開されているのが目に見えて分かったので、手は触れない。

多分触ったら、重傷を負うだろう。きっと高圧な電気が体内を駆け巡って…考えるだけでブルブルと寒気がした。


「何か珍しいものでも?」

「いや、とても綺麗な部屋だなと」


そうなのだ。

物が、本が多すぎるのに、それを感じさせないほど綺麗に整頓されている。掃除だって行き届いている。


「そうでもないと思うけど」

後ろ髪を掻いている。


わ、照れてる…

わ、すっごい、照れてる!

耳が赤いことがその証拠だ。


翔太はあまり顔を赤くすることはないけれど、代わりに耳が赤くなる。そして後ろ髪を掻くんだ。

本人はちゃんと隠せていると思っているかもしれないが、翔太は誰よりも照れを隠すのが下手だ。

可愛い、と口から飛び出しそうになった口元を手で抑えた。


可愛いなんて口に出したら、今度は槍でも飛んでくるかもしれない。

気を付けなくては。
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