ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
そして、抱きしめていた腕を離し、改めて翔太の顔を見ると笑顔だった。


あぁ、やっぱり翔太には笑顔が似合う。

悲しい顔なんてしてほしくない。

翔太を悲しませるものは全てあたしが取り去ってみせるから、だからいつも笑顔でいてほしいの。

翔太の笑顔が見れたら、それだけであたしは幸せだから。


「あ、それ、なくすなよ。オーダーメードだかんな」

「お、オーダーメード!?」


ってことは、これをデザインしたのは翔太!?

何それ、そういう才能も持っているの!?

ヤツは何でもありなのか!?


「それに…」

「それに?」

ヤツはハッと口を閉ざした。

「…やっぱ何でもない」

「何でもないわけがないでしょ!」

「何でもない!」

「何を言いかけていたのかなぁ〜?」

ニヤニヤと笑ながら見つめていると、翔太は、はぁ、と溜息をついた。

おっと、これは由良さん…勝ちました!

やった!

勝った!翔太に勝った!!



「………それ、ペア、だから…」


顔を真っ赤にした翔太が首元から出したのは、細い三日月が変形したような不思議な形のネックレス。

上部には様々な大きさにカットされたサファイアが散らばっていて、とても上品なデザイン。凄く似合っている。


翔太はあたしにくれたネックレスをその三日月に近づけ、オープンハートと三日月を重ねた。


「あ…」


思わず声が出た。


二つで一つのハートが現れたのだ。

様々な大きさのガーネットとサファイアが、きらきらと輝いている。
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