ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「…だから、なくすなよ」

赤い顔でそっぽを向いた翔太がとても愛しい。

「なくすわけがないよ、こんな大事なものを…あたし、ずっと肌身離さず、四六時中着けてるね!」

そしたら、会えない日でも翔太と繋がってるって思えるから。

辛いことも乗り越えられるから。



「本当にありがとう!」



あたしの誕生日にわざわざ休みを取って、一緒に過ごしてくれて。

誕生日を祝ってくれて。

素敵なプレゼントまでくれて。


生きてきた中で1番幸せで、一番嬉しい誕生日だよ。


微笑みかけると翔太の動きが止まった。


「……っ」

「ど、どうしたの?」

顔を覗き込もうとすると、バッと顔を背けてしまった。


「…その顔は反則だろ…」


翔太が何やらブツブツ呟いているけれど、ハッキリとは聞こえないので無視して尋ねる。


「ね、それ早速着けてもいい?」

さっきからそれを着けてみたくてウズウズしてたんだよね。


「じゃあ後ろ向け」

奴はすっかり元通りになっていた。

「え?」

どういうこと?

「俺が着けてやるから」

「わ、じゃ、じゃあ、お願いします!」


そしてヤツは着けてくれた。

その間のあたしの緊張と言ったら、ない。

心臓が止まるかと思うほど緊張した。だって、吐息がかかる程近かったんだもん!

誰だって緊張するよね!
< 82 / 170 >

この作品をシェア

pagetop