ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
来月から3年生。春休みに突入する数日前のこと。

で、今あたしはというと。

「コラ!廊下は走るな!…って海音寺か…じゃあ…いいか」

廊下を全力疾走。


SC4の権限もあってか、基本的に怒られることはない。まぁ、SC4は基本的に教師よりも大きな魔力を持っているから仕方のないことかもしれないけれど、でも一応は生徒なんだし、それは如何なものか、といつも思う。

が、今はそんなことはどうでもいい。


息が切れるのも、髪が乱れるのも、全く気にしない。


え?

何故そんなに走るのかって?

理由は単純明快だわ。


雅人が大嫌いだからよ。


雅人のことを考えないようにするために走ってるの。

あんな馬鹿…一瞬さえも思い出したくはないもの。

あぁ、本当に信じられない。

雅人なんて…

雅人なんて…っ!





事の発端は、数分前のこと–––––




あたしは雅人と一緒に帰る予定にしていたので、それはとても楽しみにしていた。

図書館に用事があったので、雅人に教室で待っていてもらうことにしていたの。

図書館での用事を終わらせて久しぶりに一緒に帰れることに幸せを感じつつ教室に戻った。

教室のドアを開けようと手をかけた瞬間、声が聞こえた。
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