短編しゅうっ!!
「でも、傘ないし………って、え!?」

ツッコミに思わずマジレスしてしまってから、
そう言えば、誰にツッコまれたのかと
振りかえると、

「この季節に傘忘れるって馬鹿だろ。」

谷中先生が立っていた。


「うう…でも、朝は晴れてたのに…
ていうか、雨降ってきたのちょっと前ですし…」

何度も言うように、もう少し早く帰れていれば、
降られずに済んだのだ。

「でも、今、雨降ってて、
お前、傘持ってないのは事実だろ?」

たしかに。

「その通りです。」

今さらそんなこと言われなくても、
そんなことくらいわかってる。

だから、頑張って早く帰ろうとしているのに…。

「ほら!」

「え!?」

先生が私の方に傘を持っている手を伸ばす。

「"え!?"じゃねえよ。
いれてやるから。」

「いやいやいやいや、遠慮します。」

「なんでだ!?」

「だって、先生が半分濡れるじゃないですか?」

「俺はいいの!」

「良くないです!」
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