短編しゅうっ!!
「どうぞ。」

温めた味噌汁を先生の前に置く。

「さんきゅー!!」

嬉しそうにする先生。
そして、




「今日貰った中だと、
滝野のおかきが一番嬉しい!!」




と言われた。


ドキッ!!


それは…
バレンタインデーの意味をわかって言っているのかな?


「滝野?どうした?黙って…」

「あ、えっと…
そりゃあ!
散々、甘い物食べた後だから、
しょっぱいの美味しく感じますよね?」

素直に喜べない。

なんていうか、
私はイベントに積極的に乗る方ではないけれど、
やっぱり好きな人にはチョコレートを渡したいというか…

でも、今更チョコレートなんていらないよな…
ただでさえ、甘いのもういいってなってるのに…

そんなことを考えていると…

「…え?ああ、うん。
まあ、確かに………」

先生は歯切れが悪そうにしていた。


まあ、別に良いのだ。
しょうがない。

私は生徒で、
先生は教師だから。

卒業するまでは、
私の想いは伝えられないし、
先生も私の想いを受け取ることができない。

わかっては…いる。
わかっては…いるんだ。
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