最愛 ーサイアイー
「はぁ……はぁ……」
「美幸、大丈夫?!」
個室の外から、希望の焦った声がする。
大丈夫と伝えなきゃいけないのに、喋れそうにない。
「お客様、大丈夫ですか?」
騒ぎに気付いた店員が来るのがわかった。
「美幸、優也くんに電話するよ!」
どうやら希望は店員の許可を取って、電話をし始めたみたい。
「………優也くん?!
美幸がっ……とりあえず、駅前のカフェに来て!」
希望の焦りの声が響く。
「お客様、大丈夫ですか?」
店員さんに返事が出来ない。
気持ち悪い……