最愛 ーサイアイー
お腹に手を当てる。
本当に気持ち悪くて、痛くて……
優也にさえ言えないというのに、どうしてもこの命を諦めたくない。
たとえ、優也に断れても、この命を守りたい。
まだ、小さな命の動きは感じられない。
それでも、お腹を触っただけで愛おしい気持ちになる。
生まれてきて欲しい。
この命に生きて欲しい。
だって、この小さな命は……私と優也の間に出来た大切な宝物だから。
辛い状況の中で、
希望の焦り声と、店員さんの心配そうな声が聞こえる。
返事も出来ないまま、私は必死にお腹をさする。