最愛 ーサイアイー
「特別だから」 side優也
「ちっ……」
「先輩…大人になってまで舌打ちとかやめてください。」
横にいる人物は呆れたように俺を睨む。
「うるせぇよ……佐川。」
佐川はため息を吐いて、俺の手に視線を移した。
「そんなに気になるなら、正直に聞いちゃえばいいじゃないですか。」
その言葉に、今度は俺がため息を吐いた。
俺は美幸と距離をとるようにしてから、よく佐川の家に来ていた。
後輩の中でも、割と仲は良かったしな。
「もういい加減に俺の家を逃げ場にしないでくださいよ。
一週間、毎日入り浸られている俺の身にもなってください。」