最愛 ーサイアイー
「うん……」
それでも緊張することに変わりはない。
「そういえば、さっき久しぶりに優也くんに会ったよ。」
県外の大学に行ったまま、出会った彼氏と同居している希望。
就職も県外でしたから、地元のここに帰ってくることは中々無い。
だから、実はこうやって会うのも、結構久しぶりだったりする。
「優也?」
「うん。美幸の選んだタキシードを着て、うろうろしてたよ。
落ち着かないみたい。」
ふふっと笑う希望に、私まで笑ってしまう。
結婚式のドレスとタキシードは、お互いに相手のを決めた。
でも、試着したのは見てない。