最愛 ーサイアイー
「ゆ……うや?」
状況を理解できてない俺の耳に辛そうな美幸の声が聞こえた。
「おい……大丈夫かよ?」
「ごめんね…」
俺の存在に気付いた美幸は、泣きそうな声で謝ってきた。
「優也が子どもを嫌いなのは知っているけど、どうしても……産みたいの。」
「産みたいって……」
もしかして、俺は、そのたった一言で美幸を苦しめていたのか?
「私ね……赤ちゃんができたの。
優也との子どもだよ。」
こ……ども?
美幸の腹の中に、俺の子どもがいるのか?
「それ、本当のことか?」