最愛 ーサイアイー
美幸の心の中では、
綺麗な俺でいたい。
美幸にとって、優しい元彼でいたい。
『彼は、私を本気で愛してくれた』
いい思い出として残りたい。
ーーでも、辛くてたまらねぇよ。
だから、美幸。
俺は、もう近くにいれそうにない。
言葉を伝えられなくても、
俺は、きっと、美幸を想い、美幸の枷になってしまう。
なによりも、俺が辛くて。
幸せを願う気持ちがあるはずなのに、
怖いくらいの自分の嫉妬で、壊れそうだ。
死んだ世界には輪がある。
一つの人生を終えたら、次の人生を始めなければならない。
だから、もう俺は行こうと思う。