最愛 ーサイアイー
「お前じゃなきゃ、ダメだ」 side優也
『城崎 瑠衣様のお知り合いの方でしょうか?』
そんな声が聞こえたのはーーとある日の夜。
春とはいえ、外も暗い時間だった。
俺は、聞き覚えのない女性の声に、疑問符が頭に浮かぶ。
携帯を耳から離し、画面を確認する。
どこから見たって、着信相手は『城崎 瑠衣』だ。
お互い、サッカー部だから、一応交換して以来。
数えるほどしか連絡をとっていない。
そんなやつから急に電話がかかってきたのだから、重要なことかと思ったのだが……
「えっと……すみません。どちら様ですか?」
『こちら、○○総合病院です。』
総合病院……?