最愛 ーサイアイー
『あのこが目を覚ますのは、明日になると思うわよ。』
看護師はそう言った。
そうだとしても、あいつが起きた時に誰もいないのはまずい。
今度こそ、俺が守ってやらなきゃいけない。
「優也くん………。」
疲れきった橋本が俺に声をかける。
「なんだよ?」
「………ねえ、美幸はどうなっちゃうかな……?」
最愛の人を亡くしたあいつは、どうなってしまうんだろう。
やっと手に入れた希望が一瞬で目の前で消えた。
起きたとき、あいつはーーー……
「なんで美幸だけ幸せになれないのっ……!!元彼のこと、やっと乗り越えたのに」