最愛 ーサイアイー
優也は微笑むと、私に囁いた。
「バーカ。泣くのが早ぇよ。」
最初の言葉がそれかい、と思いながらも、
それが優也の照れ隠しなのは長年の付き合いでわかってる。
「まだ泣いてないもん。」
わかってるのに、反抗してしまうのは、私も照れているからだろう。
「『誓い』
神と証人の目の前で新郎は新婦を妻にめとり
今日から将来にむけて、
良き時も、悪しき時も、富めるときも、貧しきときも、病める時も、健やかなる時も、
生命ある限り、あなただけをだけを愛することを、誓いますか?」
牧師さんの声が耳に届いた。
ああ、いよいよだ。
「はい、いつ、いかなるときも、新婦を愛することを誓います。」
優也の迷いのない答えが、本当に嬉しくて。
涙が溢れそうだった。