最愛 ーサイアイー
「何よそれー!」
私が頬を膨らますと、すかさず瑠衣がほっぺを押してきた。
「まあ、今年も同じクラスなんだし、いくらでもフォローしてやるよ。」
瑠衣はニコニコ笑いながら、頭を撫でてきた。
「………子ども扱いしないでよ…」
「はいはい。」
そうは言うものの、瑠衣に頭を撫でられるのは気持ちいいから好き。
だから、頭にある手を振り払えなくて、悔しい。
だって、瑠衣はきっと全部わかってるんだもん。
私が撫でられるのが好きなことを百も承知でやってる。
「本当、ずるいんだから。」
「あ、あのさ…」
おずおずと入り込んできた声に、はっとする。