最愛 ーサイアイー



私の言葉に、驚いたのは真琴だった。




「水泳やってるの?!
なんか……意外。文化部に入りそうなイメージなのに。」



「そうかな?」




でも、確かに昔から水泳以外は得意でも不得意でもない。




水泳だけは、小さい頃から休まずにやっていて、得意になった。




「じゃあ、お互いに楽しく過ごそうね!」



そう言って、笑ってくれるから笑い返す。




けど…



頷くことは、出来なかった。




それはきっと、あの日のせいだ。





前を向いた私の顔からは、いつの間にか笑みが消えていた。




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