最愛 ーサイアイー


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「初日から忘れ物するところだった…。」




慌てて教室に入った私は、一息ついた。




時刻は本日の最終下校時刻2分前。



さっさと校舎内から出ないと、怒られちゃう。



瑠衣も待たせてるし、急がないと。




私は、自分の机に近付くと、中からプリントを一枚取り出した。



入学式だというのに初日から宿題が出た。



これを忘れたら、明日がたいへんなことになる。



良かった……気付けて。





プリントを取った私は、来た道を戻る。




廊下を走り、



階段を一段飛ばしで下りる。




ズルッ



「あっ……!!」




足が滑り、階段の上でバランスを崩した。



落ちる……!!



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