先生×私~隣の部屋の王子様~
パシュッ))
パシュッ))
……。
強い。
直感で感じる。
大人の男性だからってこともあるだろうけど……
違う……
テクニックがある。
ネットギリギリにこっちが返しても絶対返してくる。
ふわっと
シャトルが高くに上がった。
よし!
チャンス!
私は先生の立っている真下をめがけてスマッシュを打った。
いつもこれで返されたことはない。
なのに……。
パシュッ))
返された……。
……。
そんな……。
慌ててシャトルを追って返す。
次の瞬間。
「あっ!!」
パシュッ……
先生にスマッシュを決められた。
うそ…………
「え?何今の……はやっ!」
部員が騒ぎ出す。
負けた。
「朝日……1年間よろしくな。」
爽やかな笑顔で私の頭に手をのせる。
ヤバイ。
先生のスマッシュ……。
悔しいとかじゃない。
感動……。
ムダな動きが1つもないし、とにかく速い。
「先生!」
「ん?」
「あのスマッシュ……わ、私もやりたい!」
本音がでた。
「あぁ、教えてやる。1年間ミッチリな笑」
「あのスマッシュを返せるようにもなりたい。」
「本気で教えるからな?」
「はい!」
「覚悟しとけ。」
もう、この想いはとまらない。
あのスマッシュで私の心までしとめられた。
「……んじゃ、バド部強化合宿でもするか。」
先生がボソッと呟く。
「やる!!」
思わず声をあげる。
先輩も賛成してくれてるようだ。
「じゃあ俺が教頭に頼んでみるわ。」
「お、お願いします!」
「よし、今日の活動は終わり!
明日からハードスケジュールだからなー、おつかれ!」
「「お疲れ様でしたー!」」
ぞろぞろと部員たちが体育館を出ていく。
「朝日!これからトレーニングプログラム作るけど……参加するか?」
先生に呼び止められて胸が高鳴る。
「あ、はいっ!」
不思議……。
バドやってるときは先生のそばにいても
いつもよりドキドキしない。
むしろ安心する。
「んじゃ、着替えてから職員室来いな?」
「了解ですっ!」
私は走って教室に向かった。