先生×私~隣の部屋の王子様~
You Are My Life ~Keita said~
合宿初日の夜。
俺は部屋に戻る途中に告白現場とやらを見てしまった。
若いねぇ……合宿中に……。
って……告られてんの……
朝日じゃんかよ!
へんな胸騒ぎを覚える。
つか、やっぱり松本じゃねぇか。
ほらな、幼なじみとか言ってたが大抵男はそんな気以上なもの持ってんだよ。
特にあいつは朝日のこと好きなのがみえみえだったし……
あいつは鈍いからな。
気をつけろって言ったばっかだろ!
明らかに動揺してる俺。
『返事待ってるから。』
松本のその言葉を聞いて
いてもたってもいられなくなった俺は
急いで階段を駆け下りてロビーの自販機で水を買った。
……返事……するのか?
あいつ……。
少し前のことをふと思い出した。
朝日の家に虫が出た日のこと……。
結局、あいつを寝かして朝になった時。
『先生、好きです。』
そんな言葉をかけられたような気がする。
俺の気のせいなのかもしれないけどな。
妙にリアルで大人な声で。
あの日から……
俺は心のどこかで
朝日が俺のことを本気で好きでいてくれてるんじゃないかと思ってしまっていた。
肝試しの夜だって。
『もう返事は……』
って言いかけたあいつの言葉を最後まで聞かなかったのは……
その続きに、松本と付き合うことになった と聞きたくなかったからだ。
はぁ。
俺はどーすりゃいいんだよ。
そもそも身分が違いすぎる。
俺は教師で
菜月は生徒。
久しぶりに家に帰る。
隣の菜月の部屋を見てみると
明かりがついていない。
おかしいな。
もうとっくに帰ってるはずだよな?
それに今日は日曜日。
今日の夕飯は一緒に食べるんじゃないのか?
気になって電話をかけてみる。
プルル……プルル……
でない。
嫌な予感がする。