先生×私~隣の部屋の王子様~
You Are My Life ~Natsuki said~
懐かしい声がする。
お母さんだ……。
「お母さんっ!」
遠くのお母さんに声をかけてみる。
「菜月、お母さんね、菜月をあの人にお願いするわ。守ってってね。」
優しい笑顔で話してる。
「お母さん?何?どーゆーこと?」
「お母さんね、あの人なら菜月を幸せにしてくれると思うの。」
「お母さん!あの人って……誰?」
「菜月、素直になりなさい?」
「お母さんっ!!」
「大好きよ。」
スゥっとお母さんが消えていく。
「やだ!お母さんっ!行かないで!私を一人にしないで!」
「菜月は一人じゃないのょ……」
そう言ってお母さんは消えてしまう……
嫌だ!お母さん!行かないでよ!私……
「菜月……。」
え?
この声は……
先生?
私は……
今どこにいるの?
先生が優しい眼差しで
私にキスをした。
涙が溢れる。
先生が手を握ってくれる。
私はその手をギュッと握り返した。