先生×私~隣の部屋の王子様~
You Are My Life ~Natsuki said~


懐かしい声がする。

お母さんだ……。


「お母さんっ!」

遠くのお母さんに声をかけてみる。

「菜月、お母さんね、菜月をあの人にお願いするわ。守ってってね。」

優しい笑顔で話してる。

「お母さん?何?どーゆーこと?」

「お母さんね、あの人なら菜月を幸せにしてくれると思うの。」

「お母さん!あの人って……誰?」

「菜月、素直になりなさい?」

「お母さんっ!!」

「大好きよ。」

スゥっとお母さんが消えていく。


「やだ!お母さんっ!行かないで!私を一人にしないで!」

「菜月は一人じゃないのょ……」

そう言ってお母さんは消えてしまう……


嫌だ!お母さん!行かないでよ!私……





「菜月……。」




え?


この声は……




先生?




私は……
今どこにいるの?




先生が優しい眼差しで



私にキスをした。



涙が溢れる。




先生が手を握ってくれる。




私はその手をギュッと握り返した。


< 43 / 47 >

この作品をシェア

pagetop