胸キュンっ♡
「雪、寒いねぇ」
『…。』
隣で俺を見上げるのは、由依。
俺の、彼女だ。
ふわふわしてて、ちっこくて…
って俺も小さいから、身長差はたった5cmなんだけど。
僅かに降る雪の中、もう習慣になった一緒の登校だった。
ほんの僅かといえ、昇降口に着く頃には薄っすらとコートやバックに雪が積もっていた。
軽く身体を叩いて校舎内に足を踏み入れようとする。
「あ。待って」
『…?』
ふいに袖口をつんつんと引っ張られ、由依と向き合った。
すると突然すっと手が伸びてきて俺の頭にぽんと置かれた。
続けて数回ぽん、ぽんと叩かれ、惚けたままの俺に由依は優しく微笑んだ。
「雪、ついてたよ?」
『ありがと。』
なんだか照れ臭くなって、同じように雪の積った由依の頭を乱暴に払ってやった。