春の匂い~僕等、リア充撲滅部!番外編?
俺は光のなかへと進んだ





*    *    *

「......んっ」

ゆっくりと目を開けると

天井が見えた

薬っぽい匂いがほのかに香る

病院だと一瞬で判断できた

...俺、刺されたんだっけ?

右手にあたたかい温もりが伝わってくる

見ると俺の手を握ったまま

寝ている桜がいた

「......桜」

愛しい人の名前をつぶやいて

俺は起こさないように頭を撫でる



「桜も〝昔より〟可愛くなったな」



俺の手を握っていた桜の手がピクリと動いた
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