“ALICE"








「そう…だよね。…アリスがこんなところにいるはず、ないんだ」




あまりにも泣きそうな声で言うから、私は夢の中だとわかっていても、つい構いたくなった。




「あ、アリス…さん、はなんで封印されたの?」



「……」



無言を貫くうさ耳の男。
でも表情はまだ泣きそうな顔から変わっていなかった。



アリスはうさ耳の男にとって、どんな関係だったのだろうか。

もしかして、恋人同士だったのかな?



そう考えている時だった。
いきなりベルのような音が大きく鳴り響いた。



「な、何…!?」



「時間…か…」



さっきまで無言だった男はポケットの中から懐中時計を取り出した。



さっきの音は…これだったんだ。



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