“ALICE"
なんで、みんな助けないのよ…!
すると、男は躓き地面に転んでしまった。
真後ろには剣を持った青年。
このままじゃ…あの人が殺されてしまう!!
咄嗟にあの人の元へ駆け寄ろうとしたが、誰かに腕を引かれ、私の視界を奪う。
「ー…ダメだよ、アリス」
耳元で囁く男の声。
さっきのうさ耳の男の声じゃない。
「女王様に目をつけられたら、終わりだから」
そう囁かれた瞬間、男の叫び声が街全体に響き渡った。
だけど、途中でピタリと男の声が聞こえなくなった。
視界が見えなくてもわかる…
男はあの青年に殺されてしまった…
「…アリス、ここから離れるよ。女王様の犬に見つかる前に」
そう言われた瞬間、急に眠気がきてそのまま私は意識を失った。