“ALICE"
森の住人
ー…温かい。
もうこのまま寝ていたい。
学校をズル休みしたいぐらいだ…
ああ…でも、お母さんに叱られる。
重たい瞼を上げると、広がる光景は丸太で造られた壁だった。
あれ…?丸太…?
夢でも見ているのだろうか?
ぼーとしている頭が徐々に覚醒し、さっきの出来事を思い出した私は、ばっと起き上がる。
…助けられなかった。
あんなに、助けを求めていたのに…
なんでもっと早く行動しなかったんだろう。
悔しくて布団をぎゅっと握ると、ドアが開く音が聞こえた。