“ALICE"
「でもね、キミも“アリス”なんだ。ただ名前が違うだけで」
「え…?」
どういうこと?
帽子男は何か知ってるってこと?
「でもまだこれ以上は話さない。困惑されても困るし」
「でも…」
「ー…女王のことは?知りたくない?」
女王…
うさ耳男やあの青年も口にしていた人物。
「女王様はアリスを封印したと聞きました…」
「誰に?」
「うさ耳男…」
そう言うと帽子男は一瞬ポカンとしたが、すぐにふっと不敵な笑みを浮かべる。
「どっちのこと?」
「ど…どっち?」
え、うさ耳の男は一人じゃないの?
そんな何人もうさ耳生やしてるの?
「…ああ、でもあいつは女王の付き添いだから、まずはありえないし…アルトかもね」
「アルト…?」