個人的事情につき“悪戯”禁止

「…っ!?」

「…寝たら、痛ぇぞ…?」





再び囁かれた課長の低い声。

加えて、右手に感じる違和感に。

私の眠気は一気に吹き飛んだ。





「寝てるのわかったら、つねるからな」

「!!!!!!!」





私の右手は、机の下で課長の左手に握られていた。

…いや。

捕獲されていた、の方が正しいかも知れない。





「か、課長!?」

「眠気覚ましに適度な緊張感でいいだろう?」





そう言う課長の顔は。

薄明かりでもわかるくらい意地悪そうに口角を上げていた。





…緊張感、ありすぎです。

つねられる痛みに対する恐怖よりも。

課長に掴まえられている右手に全意識が集中しすぎて。

どっちにしろ会議どころじゃありません…。




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