*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語
しばらく談笑したのち、奥津宮がふいに話題を変えた。
「ーーーして、お祖父さま。
長らくお探しのものは、もう見つかりましたか」
兼正は表情を引き締め、閉じた扇で掌を軽く叩く。
「それがですなぁ。
巧妙に身を隠しているらしく、まだ芳しい報告は来ておらなんだ」
「そうですか。
一体どこに隠れているのでしょうね」
「まぁ、箱入りの世間知らずが趣向を凝らしたところで、私めの部下たちから逃げおおせるはずもありません。
きっと近日中には良い報告があるものと思いますよ」
「そうでしょうね。
では、楽しみにしておりますよ」
三人は再び楽し気な笑い声を上げた。
「ーーーして、お祖父さま。
長らくお探しのものは、もう見つかりましたか」
兼正は表情を引き締め、閉じた扇で掌を軽く叩く。
「それがですなぁ。
巧妙に身を隠しているらしく、まだ芳しい報告は来ておらなんだ」
「そうですか。
一体どこに隠れているのでしょうね」
「まぁ、箱入りの世間知らずが趣向を凝らしたところで、私めの部下たちから逃げおおせるはずもありません。
きっと近日中には良い報告があるものと思いますよ」
「そうでしょうね。
では、楽しみにしておりますよ」
三人は再び楽し気な笑い声を上げた。